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歯科衛生士として向上心を手に入れるために ~ホメオスタシスとは~

こんにちはDキャリアプラス運営事務局 岡元です。

なぜか力が湧いてこない、勉強する気になれない。こんな経験ありませんか?他にも、セミナーや研修など受講した後は、やる気に満ち溢れているのに、次の日になってみると、「まぁいいや」となってしまったり、明日から、来週から頑張ろうとなってしまったり。

 

このように、なかなかやる気が持続しないことを、ホメオスタシスが原因となているかもしれません。

今回はこの、「ホメオスタシス」についてご紹介します。

 

ホメオスタシスとは?

「ホメオスタシス」というと病気の名前のような気がしてしまうかもしれませんが、生物の本能として備わっている機能で、誰にでもあるものです。

ホメオスタシスとは生体の 内部や外部の環境因子の変化に関わらず生理機能が一定に保たれる性質のことであり、生物にとって極めて重要なものです。例えば、動物の生理機能の恒常性は、神経系、内分泌系、消化器系など、様々な器官系の機能連関によって維持されています。

埼玉大学総合研究機構:バイオホメオスタシス研究センターより抜粋)

 

分かりやすく言うと、人間(動物)には“変わらない”ように“現状維持”しようとする力が強く働いているということです。

例えば、風邪をひいてしまった場合、人間は体内に侵入した菌を外に出すために発熱します。しかし、発熱した後はどうでしょう?解熱剤などを服用せずとも、熱が下がっていきますよね?このように現状維持する力がホメオスタシスです。

 

先ほどの例は、体内に入った菌を身体が“異物”と判断したために起こった発熱でしたが、この菌が外的事象、すなわち脳に取り込んだ情報、感情でも同じことが起こります。

 

現状維持をしようとする力はとても強い

現状を維持する力「ホメオスタシス」は、人間が生きていくために備わっただけあって、ものすごく強力です。

生きていくこと”が最大の目的で備わった機能であるため「確実に生きていくこと」すなわち「ここまで生きてこられた現状」を維持しようとします。

身体的にも精神的にも何かが変わってしまったら、生きていけない可能性があるため、現状を維持しようとする。現状を維持していれば、少なくとも生きていけないということにはならない。といったイメージです。

 

変われる人はなぜ変われるのか?

とはいえ、世の中にはどんどん変わって行く人がいますよね?

歯科衛生士の働き方も以前と比べるとずいぶんと多様化してきました。

一昔前は、歯科医院の外来や訪問歯科、病棟、会社など、歯科衛生士の働き方や働く場所の幅は限られていたように思います。しかし、今はどうでしょう?高齢者、保育園、療育施設、フリーランスで自分の得意分野のセミナー講師をしたり、ホワイトニングサロンや歯磨きサロンを経営したり、はたまた歯科医療従事者向けの商品を作る会社を立ち上げたり、本当に様々な活躍をされている歯科衛生士もいます。

 

こういった人たちはんぜ変わって行くことができるのか?と疑問に思いませんか?

現状維持する力が働いていないのか?とすら思うかもしれません。

ホメオスタシスは、誰の身体にも備わっています。自分自身が変化することに対する抵抗感は誰にでもあるものです。

そんななかで自分を変えて行くには、コツがあるんです。

 

ホメオスタシスを味方にする

誰しも、ダイエットに1度はチャレンジしたことがあると思います

でも、中々運動が長続きしないなど、何かを理由に続けることができなかった経験がある方も多いと思います。

このコラムで何度も登場している「ホメオスタシス」ですが、実は味方につけることができます。例を挙げて、ご説明します。

 

(例)

ダイエットのために、3日に1回のペースで早朝ランニングを始めた。

しかし、3ヶ月続けてきたけれども中々、身体の変化が見られない。

「なんだかあまり変わらないし、今日は走らなくていっか」と思い、その日は走るのを辞めた。しかし、なんだか身体に気持ち悪さを感じる「あぁ…走っておけば良かった。体が気持ち悪い」

 

ホメオスタシスには、習慣化したものを維持する力があります。

上記の例で言うと、3日に1回の早朝ランニングを身体が習慣と認識しているため、現状維持機能が働き、走らないことを気持ち悪いと感じさせています。

 

このように、私たち人間は皆、習慣化とそれに対する反発が日々繰り返されています。

これは患者様も例外ではありませんから、「口腔体操しましょう」とお伝えしても、中々続かなかったり、少し続いても辞めてしまったり、習慣化するまでがものすごく大変だという経験をされている方も多くいるのではないでしょうか。。

 

では習慣化させるにはどうしたら良いのでしょう?

 

習慣化させるコツ

習慣化させるということは簡単ではありません。

簡単ではない中で、習慣化させるためには、医科の3つを意識して取り組んでみることが重要です。

①目標設定

習慣化をさせるには、なりたい自分(目標)を詳細に設定する必要があります。歯周病の認定が取りたいと思ったら、ます認定を取ることを目標にします。

②目標の意識

次に、目標として設定した自分を、今の自分であると脳に錯覚させます。目標である「認定取得した自分」が“現状”であると脳に認識させ、それに向かってホメオスタシスの効果を活用していきます。

③「3日の壁」を越える

目標を立ててから、最初の数日はやる気に満ち溢れているはずです。

しかし、そこから3日も過ぎると「面倒だな」「明日やるから今日はいいや」などの感情が沸き起こってくるでしょう。この3日目が最初の壁です。

今までやっていなかったこと=現状の変化ですから、やりたくなくなるのは当然です。

そんな中で、3日目を乗り越えるために、自分で自分をやる気にさせます。

自分の中で、「まだやれる」「全然足りない」と言い聞かせて、行動し続けるのです。

そして、7日間もすると、それが「もしかして、これがいつもの自分なのかも」と身体が認識し始め、習慣化がどんどん進んでいきます。

習慣化できれば、ホメオスタシスは、現状に対してのみ働きかけるため、現状を維持しようとやる気を維持させようとしてくれます。

 

まとめ

ここまで、現状を維持する力「ホメオスタシス」についてご紹介しました。

ホメオスタシスは、全ての人に備わっている防衛本能です。それに“打ち勝つ”のは、非常に困難で、簡単なことではありません。

しかし、この機能を“利用して”向上心を持ち続けることは可能です。

資格取得や企業、新しいチャレンジをする時には、誰しもが不安でやる気が持続するかどうかもわかりません。でも、自分の身体や脳のことを理解すると不安、やる気をコントロールできるかもしれませんよ。

 

自分で自分をコントロールして、より良い自分になれるよう頑張りましょう!

Dキャリアプラスでは、歯科衛生士の皆さんの挑戦を応援します。
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