矯正中の食事に関するお悩みを解決する、おすすめの食べ物10選
こんにちは。Dキャリアプラス編集部です。
矯正治療に携わる歯科衛生士のみなさんは、治療中の食事についてどんなアドバイスを行なっていますか?
矯正中はしっかり栄養をとり、装置も外れないように注意することが重要になりますよね。
今回は「矯正中の食事に関するお悩みを解決する、おすすめの食べ物10選」を紹介したいと思います。
矯正治療中だけでなく、歯が痛いときにもおすすめの食事ですので、参考にしてください。
目次
矯正治療中の痛み
歯列矯正中の痛みの主な原因は、歯を動かすためにかかる力によるものです。治療開始から2〜3日後に痛みのピークを迎えることが多く、通常、痛みは1週間程度で徐々に収まりますが、炎症がある場合にはさらに痛みを引き起こすことがあります。
痛みが強い時に避けるべき食べ物
矯正中に痛みが強いときは、食事にも注意が必要です。以下のような食べ物は避けるようにお伝えしましょう。
【硬い食べ物】
硬い肉、ナッツ、ハードタイプのキャンディなどは避けてください。これらの食べ物は噛む際に強い力が必要で、痛みを増加させる可能性があります。
【粘着性の高い食べ物】
キャラメル、グミ、粘りのある餅などは装置に挟まりやすく、取り除くのが厄介です。これも痛みを悪化させる可能性があります。
【繊維質の多い食べ物】
一部の野菜や繊維質が多い果物も、噛むのに力が必要で痛みを引き起こすことがあります。ごぼうや水菜、ニラ、ネギ、えのきなどの矯正装置に絡まりやすく、挟まりやすい野菜も避けたい食べ物です。
【色素沈着しやすい飲み物】
コーヒー、紅茶などの色素沈着しやすい飲み物は装置に影響を与えるため、避けるか摂取後によく歯磨きを行うことが大切です。
痛みを和らげる食事のポイント
痛みを和らげる食事のポイントをご紹介します。
【柔らかい食材を選ぶ】
歯列矯正中の痛みを軽減するための第一歩として、柔らかい食材を選ぶことが重要です。
【食材を細かく切る】
痛みを減らすためのもうひとつのポイントは、食材を細かく切ることです。食べ物を小さく切ることで、噛む際の負担が軽減され、歯や歯茎へのストレスが少なくなります。
肉や野菜は細かく刻んだり、すりおろしたりすることで食べやすくすることができます。また、食材を柔らかく煮込むことでさらに食べやすくなります。
【温かい食事を摂る】
温かい食事は歯列矯正中の痛みを和らげるのに効果的です。温かいスープやおかゆなどは食べやすく、消化にも良いです。ただし、極端に熱い食べ物は避けるようにしましょう。
おすすめの食べ物10選
1. おかゆ
おかゆは、歯列矯正中の痛みを和らげる食事として最適です。柔らかく消化もしやすいため、歯への負担を軽減してくれます。とくに治療開始直後の痛みが強い時期に、おかゆを主食として取り入れると良いでしょう。
2. うどん
うどんも柔らかく、噛む力があまり必要ないので、矯正中の食事に適しています。温かいうどんを食べることで、痛みが和らぐだけでなく、体も温まります。スープと一緒に摂ることで、栄養バランスも保てます。
3. 豆腐
豆腐は栄養価が高く、非常に柔らかい食材です。さまざまな料理に応用できるため、飽きずに食べ続けることができます。サラダやスープに豆腐を加えると、食事にバリエーションを持たせることができます。
4. 卵料理
卵はプロテインが豊富で、柔らかく食べやすい食材です。スクランブルエッグやオムレツ、ゆで卵など、さまざまな調理法で楽しむことができますので、毎日の食事に取り入れやすいでしょう。
5. スムージー
スムージーは、フルーツや野菜をミキサーで細かく砕くことで、飲みやすくなります。栄養価も高く、痛みが強い時でもストローで簡単に摂取できるのが魅力です。栄養不足を補うための一品として最適です。
6. バナナ
バナナは柔らかく、口当たりも良いので矯正中の痛みがある時でも食べやすいです。また、エネルギー供給源としても優れており、手軽に栄養補給ができます。
7. スープ
スープは液体なので、噛む必要がなく食べやすいです。野菜や肉を柔らかく煮込んでスープにすることで、栄養バランスを保つことができます。とくにポタージュスープはおすすめです。
8. 温野菜
温野菜は、野菜を柔らかく煮ることで、噛む力が少なくても食べやすくなります。栄養素も保持されやすく、バランスの良い食事を保つことができます。ブロッコリーやにんじんなどを柔らかく調理することをおすすめします。
9. ヨーグルト
ヨーグルトはなめらかで柔らかいため、痛みのある時でも食べやすいです。乳酸菌が腸内環境を整え、健康維持にも寄与します。フルーツをトッピングすると、さらに栄養価が向上します。
10. シリアルに牛乳をかけたもの
シリアルに牛乳をかけて柔らかくしたものは、食べやすく、朝食としても手軽に摂取できます。栄養バランスも良く、酸化防止に役立つビタミンEなども摂ることができます。柔らかくなるまで浸してから食べると、更に食べやすくなります。
外食時の工夫と注意点
避けるべきメニューと注文のコツ
歯列矯正中に外食をする際には、いくつかのメニューを避けることが望ましいです。硬い食べ物や粘着性の高い食べ物は、矯正器具に負担をかける可能性があり、痛みを引き起こすことがあります。ステーキやフライドチキンなどは避け、ハンバーグやリゾット、キーマカレーなどを選ぶと良いでしょう。
また、色素が沈着しやすい飲み物にも注意が必要です。コーヒーや紅茶、赤ワインなどは歯の色に影響を与えることがあります。外食の際には、こうした飲み物を避けるか、ストローを使用して飲むことでリスクを軽減できます。
矯正中でも楽しめるメニューの注文のコツとしては、柔らかい食材を使用した料理を選ぶことです。
外食時の持参アイテム
矯正中の外食を快適にするための、いくつかのアイテムを持参することをおすすめします。
まず、小さな歯ブラシや歯間ブラシは食後に矯正器具に絡みついた食べ物を取り除くのに役立ちます。とくに、おかゆやスープなどを食べた場合、食べかすが器具に詰まりやすくなるため、歯ブラシは必須アイテムと言えます。
さらに、ストローも持参すると便利です。ストローを使用することで飲み物が歯に直接触れにくくなり、色素沈着のリスクを軽減することができます。とくに外出先で色の濃い飲み物を飲む際には効果的です。
これらのアイテムを適宜活用することで、矯正中でも外食を気軽に楽しむことができます。
まとめ
歯列矯正中の食事には多くの工夫が必要です。痛みを和らげるためには、柔らかい食材を選び、細かく切ることが効果的です。
また、マウスピース型矯正治療の場合には、飲食の際はマウスピースを外すことや、1日のマウスピース装着時間を減らさないためにも外食や飲み会などでは、長時間ではなく時間を決めて飲食することなどをアドバイスしましょう。
紹介した食べ物以外では、ユニバーサルデザインフード(UDF)の活用などもおすすめです。介護食というイメージを持つ方も多いと思いますが、温めずにそのまま食べることができるものや、味付けや食べ応えなどにこだわったさまざまなメニューがあります。
コラム「【介護食を知る】介護食、ユニバーサルデザインフード®とスマイルケア食」を参考にしてください。
また矯正治療においては、歯科衛生士によるメインテナンスやセルフケアのアドバイスが重要になります。
今回は、口腔機能発達不全症やMFTのオンラインセミナーにご登壇いただいている、後 貴三子さんによる「矯正治療中のプラークコントロール〜矯正治療中の口腔内をカリエスと歯周病から守るために〜」と題した無料オンラインセミナーを開催いたします。ぜひ、ご参加ください。
セミナー案内
DSアカデミーでは「矯正治療中のプラークコントロール〜矯正治療中の口腔内をカリエスと歯周病から守るために〜」オンライン無料セミナーを開催いたします。
矯正装置がつくことによってセルフケアの難易度が上がり、コントロールがうまくいかないケースもあります。
このセミナーでは矯正治療中の口腔衛生管理について、さまざまなケアーグッズを使った治療中の指導ポイントや受診時のメインテナンス方法をお伝えいたします。
講師紹介
現在フリーランスで小児·矯正·一般歯科など5医院に勤務し、予防·歯周病管理·診療補助·MFT·受付·コンサルなどを兼務。
小児歯科では「口腔機能発達不全症」に、矯正歯科では「筋機能療法(MFT)」に取り組んでいる。
臨床の傍ら「study group SEE」を主宰し、『機能を診る目』を育てる講習会を全国各地で開催中。