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【介護食を知る】介護食、ユニバーサルデザインフード®とスマイルケア食

介護食を知るコラムタイトル

 

Dキャリアプラス運営事務局です。

食支援に携わっている歯科衛生士から、これから食支援に力を入れていきたい、食支援に興味があるという方に、今回は「介護食」についてお話ししたいと思います。

介護食について

介護食とは、介護を必要とする高齢者や噛む力や飲み込む力が低下した人が食べやすいように、食材や調理法を工夫した食事全般のことです。
一般的に、医療・介護施設向けに取り入れられていますが、市販で購入できたり、自宅で作ったりすることもできます。

 

高齢者の噛める程度

高齢者の約3割が噛むことに問題
加齢などにより「噛む力(咀嚼機能)」や「飲み込む力(嚥下機能)」が低下してしまうと、今までと同じ食事をとることが難しくなってしまいます。食事を工夫することで、バランスよく栄養を補給し、健康を維持することが必要になります。

[出典] 平成24年度老人保健増進等事業在宅療養患者の接触状況・栄養状態の把握に関する調査研究報告書/平成25年3月国立長寿医療研究センター

 

介護食の種類

介護食の種類には、刻み食・ソフト食・ミキサー食・ゼリー食などがあります。それぞれの特徴を理解し、高齢者の方の身体状況に合わせて選ぶことが重要になります。

介護食

刻み食

食材を細かく刻んで食べやすくした食事
刻む大きさは5mm〜2cm程度と幅広く、大きく口を開けられない方や噛む力が弱い方に適しています。食材の見た目や食感が比較的残っているので、食事として楽しめることがメリットです。しかし、飲み込む力が弱いと誤って気管に入ってしまい、誤嚥を招いてしまう場合もあるため注意が必要です。

 

ソフト食(やわらか食)

煮込む、ゆでるなどして食材をやわらかくした食事
よく煮込む、ムース状にして固め直すなど、歯ぐきや舌でつぶせるほどのやわらかさにした食事です。歯がない方、噛むことや飲み込むことが難しい方でも、飲み込みやすいのが特徴です。

 

ミキサー食

食べ物をミキサーにかけてポタージュ状にした食事
飲み込めるような状態にしているので、食材を噛む・飲み込むことが難しい方に適しています。とはいえ喉の奥に食べ物が流れてしまい誤嚥を引き起こす危険性があるので、粘度の調整は注意すべき点です。また食材の形がなくなるために食欲がなくなったり、何を食べさせられるのか不安を感じる方の場合は、食材を見せるなどの工夫が必要になります。

 

ゼリー食

食べ物をミキサーにかけてペースト状にし、ゼラチンや寒天などを加えてゼリーのようにやわらかく固めた食事
食塊がゼリーによって形成されているため、口腔内や食道での滑りもよく、噛む力・飲み込む力の両方が弱くなった方に適しています。誤嚥を引き起こすリスクが低いことがメリットですが、食材のすべてがゼリー状なので食欲を損ないやすく、型抜きをするなど見た目を工夫することが大切になります。

 

市販の介護食「ユニバーサルデザインフード®」と「スマイルケア食」

介護食を調理する場合には高齢者が食べやすく、飲み込みやすいように手間と時間をかけ、誤嚥を起こすことのないように注意しながら作る必要があります。注意を払いながら介護食を毎食準備することは容易ではないため、市販されている高齢者向けの介護食や介護食弁当を利用することも、一つの方法です。

今回は、市販の介護食についてご紹介します。
市販されている介護食は、大きく分けて二つに整理されています。
日本介護食品協議会会員である食品メーカーが、規格に基づき商品を製造・販売しているのが「ユニバーサルデザインフード®」。
「スマイルケア食」は農林水産省が、これまで介護食品と呼ばれてきた食品の範囲を整理し、新しい枠組みを整備したものです。

 

ユニバーサルデザインフード®

「ユニバーサルデザインフード」とは、日常の食事から介護食まで幅広くお使いいただける、食べやすさに配慮した食品です。
咀嚼・嚥下に特化した4つの区分があります。

UDF

ユニバーサルデザインフード®の区分

噛む力、飲み込む力が弱い人のための介護食の基準として、複数の食品メーカーによって設立された日本介護食品協議会が名付けた「ユニバーサルデザインフード®」という自主規格が知られています。
ユニバーサルデザインフード®では下記の4つに区分されています。

  • 区分1:容易にかめる
  • 区分2:歯ぐきでつぶせる
  • 区分3:舌でつぶせる
  • 区分4:かまなくてよい

それぞれ適合する商品にはユニバーサルデザインフード®のロゴマークがつけられています。
区分の表示から噛む力、飲み込む力に合ったやわらかさの食品を選ぶことができます。

  • ユニバーサルデザインフード®についてはこちら

[出典]日本介護食品協議会 ユニバーサルデザインフードとは

スマイルケア食

「スマイルケア食」は、健康維持上栄養補給が必要な人向けの食品にマークを表示し、それぞれの方の状態に応じた「介護食品」選ぶことができます。
農林水産省によって厳格な基準のもと分類されており、さまざまな食品メーカーが参入しています。

 

スマイルケア食の区分

介護食を必要とする人の状態に応じ、マークによって区分された食品です。
スマイル食では、下記の3つに区分されています。

  • 青マーク:かむこと・飲み込むことに問題はないが、健康維持上栄養補給を必要とする人向けの食品
  • 黄マーク:かむことに問題がある人向けの食品
  • 赤マーク:飲み込むことに問題がある人向けの食品
  • スマイルケア食品についてはこちら

[出典]農林水産省 スマイルケア食(新しい介護食品)

まとめ

高齢者の健康状態を維持する上で、食事はとても重要なことになります。
介護施設等では「ミールラウンド」が積極的に行われ、利用者さんが安全に食事を摂れているかについて多職種(医師・看護師・歯科医師・歯科衛生士など)を交えて検討されています。
介護食については実食してみるなど、知識だけではなくご自身の体験が役に立つ場合もあります。

そこで、今回、Dキャリアプラスでは、ユニバーサルデザインフード®「やさしい献立」シリーズを製造・販売しているキユーピーさんとの共催で、歯科衛生士のための「栄養とUDF(ユニバーサルデザインフード®)」の勉強会を開催することになりました!
「そもそも、なぜ食べないといけないのか?」「なにを食べたらいいのか?」といった栄養について、また「やさしい献立」シリーズの紹介や実食など、栄養とUDFの理解を深める内容となっています。

また、Dキャリアプラスの認定制度/DSアカデミー摂食嚥下コース(中級)では「ミールラウンド実施方法」を学ぶことができます。
動画学習サービスでは「摂食嚥下」などについても学習ができます。

復職や多様な働き方の相談、キャリアアップのための学習やセミナーなどをDキャリアプラスでは提供しています。

 

セミナー情報

ユニバーサルデザインフード®(UDF)をご存じでしょうか?
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