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代用甘味料がむし歯を防ぐその理由は?

代用甘味料がむし歯をよぼうするその理由は?タイトル

 

こんにちは。Dキャリアプラス編集部です。
3月10日は「砂糖の日」。砂糖に関係する団体から構成される「お砂糖“真”時代」推進協議会によって、2014年に制定されました。
「さ(3)とう(10)」の語呂合わせに由来した日付で、「いい(11)さ(3)とう(0)」と読める11月30日も「砂糖の日」とされています。

今回は砂糖をはじめとする甘味料について紹介したいと思います。

 

砂糖の歴史

甘味料とは食品に甘味をつけるための調味料のことで、 最も身近な甘味料は「砂糖」です。
砂糖は紀元前400年頃からインドで作られ始め、その後、エジプトや中国に伝わったといわれています。英語の「sugar(シュガー)」は、古代インドで使われていた言語であるサンスクリット語の「sarkara(サッカラ:サトウキビの意味)」に由来するそうです。
日本には、奈良時代に唐招堤寺を開いた鑑真和上が中国から持ち込んだという説や、遣唐使が持ち帰ったという説があります。当時、お砂糖はとても貴重なもので薬として扱われていたそうです。

甘味料について

甘味料は大きく「糖質系」と「非糖質系」の2つに分類される

【糖質系甘味料】砂糖、でん粉由来の糖、その他の糖、糖アルコール
【非糖質系甘味料】天然甘味料(植物の葉や果実などに含まれている甘味成分を抽出して作られた甘味料)、非天然系甘味料(自然界には存在しておらず化学的に合成された甘味料)

甘味料の種類について

[参考]精糖工業会 主な甘味料と分類

むし歯の原因とならない代用甘味料

代用甘味料とは?

代用甘味料とはスクロース(砂糖)の代わりに用いる甘味物質の総称です。
糖尿病でも安心して食べられる高血糖を生じない甘味料や、肥満対策に用いる低カロリーのダイエット用甘味料、むし歯の原因にならない甘味料などがあります。

砂糖との違い

砂糖と代用甘味料にはいくつかの違いがあります。
砂糖はスクロースを主成分とし、摂取すると口腔内のミュータンス菌によって酸が生成され、歯を溶かす原因となります。
一方、代用甘味料の多くは菌が酸を生成しづらい性質を持っています。
また、砂糖が1gあたり約4キロカロリー含むのに対し、非糖質系甘味料はほぼゼロカロリーである点も大きな違いです。
代用甘味料の甘さは、砂糖を基準とした「相対甘味度」で比較され、エリスリトール(甘味度約0.7〜0.8)やスクラロース(甘味度約600)など、甘味の強さも多様です。

主な代用甘味料とその特性

キシリトールガムの画像

キシリトール(むし歯予防効果の高い代表例)

キシリトールは、代用甘味料の中でもとくにむし歯予防効果が高いことで知られています。菌がキシリトールをエネルギー源として利用できないため、酸の生成が抑えられ、歯を溶かすリスクを軽減します。
さらにキシリトールは唾液の分泌を促進し、口腔内のpHを中性に保つ作用があるため、むし歯のリスクを減らす効果が期待されています。そのため、ガムやキャンディなどの製品に活用されることが多いです。

マルチトールとエリスリトールの特徴

マルチトールとエリスリトールは、砂糖と似た味わいを持ちながらも低カロリーで、むし歯になりにくい点が特徴です。とくにエリスリトールはカロリーゼロで血糖値に影響を与えないため、健康志向の食品や飲料にも多く利用されています。

スクラロースとアスパルテームの用途

スクラロースとアスパルテームは人工甘味料の代表として知られ、砂糖に比べて非常に高い甘味度を持っています。
スクラロースは砂糖の約600倍の甘さを持ち加熱に強いため、焼き菓子や料理に適しています。
一方、アスパルテームはカロリーが低く、加工食品や清涼飲料水などで広く使用されています。どちらも酸の生成を抑えるため、むし歯予防に効果的な甘味料といえます。

ステビア(自然由来の甘味料)

ステビアは自然由来の甘味料であり、健康志向を持つ消費者に支持されています。ステビアの甘味成分であるステビオールグリコシドは、砂糖の約200〜300倍の甘さを持ちながらカロリーゼロで、菌に利用されないためむし歯予防にも役立ちます。

人工甘味料の安全性と注意点

人工甘味料は低カロリーでむし歯になりにくいメリットがある一方で、安全性についての議論もあります。一部の研究では、特定の人工甘味料の過剰摂取が健康に影響を与える可能性が指摘されていますが、多くの国際機関で安全性が認められている量内であれば、日常的な使用は問題ないとされています。砂糖の種類や代用甘味料の特性を理解し、バランスの取れた選択を心がけることが重要といえるでしょう。

代用甘味料使用時の注意点

代用甘味料の使用時には、いくつかの注意が必要です。糖質系甘味料の一部は消化不良を起こす可能性があるため、摂取量には気をつけましょう。また、むし歯予防効果があるとされる甘味料であっても決して過剰に摂取せず、適量を守ることが大切です。
子どものために使用する場合には、安全性や適量について製品表示を確認することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?今回は「甘味料」についてご紹介しました。
「砂糖」は保存できる期間が長いため賞味期限が設定されていませんが、代用甘味料には時間の経過によって味や色が変わることがあるため、賞味期限が設定されています。
代用甘味料だけに頼るのではなく目的によって使い分けたり、規則正しい食生活やセルフケアの習慣とあわせて、むし歯予防に活用していきたいですね。

[参考]ウェルネオシュガー株式会社 シュガーラボ お砂糖の歴史
[参考] e-ヘルスネット う蝕の原因とならない代用甘味料の利用法