インフルエンザ予防は歯磨きから!今日から始める口腔ケア
こんにちは。
Dキャリアプラス編集部です。
みなさんは、インフルエンザの予防接種をもう受けられましたか?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原とする感染症で、口や鼻から入ったインフルエンザウィルスが、喉の粘膜などで増えて起こります。
国内におけるインフルエンザの流行は、例年11月末から12月にかけて始まるのが一般的で、インフルエンザの予防接種は9月末から10月に医療機関での接種が可能となりはじめます。
昨シーズン(2023/24年)累積のインフルエンザ推計受診者数は、約 1801.9 万人で、2018/19 シーズン以降、最も多い推計受診者数となったそうです(※1)。
本格的な流行に入る前に、口腔ケアで行うことができる「インフルエンザ予防」についておさらいしておきましょう。
※1)[引用] 日本感染症学会 2024/25シーズンに向けたインフルエンザワクチン接種に関する考え方とトピックス(2024.9.18)
目次
インフルエンザについて
16世紀のイタリアの占星家たちは流行が周期的に現われてくるところから、これを星や寒気の影響(influence)によるものと考えました。これがインフルエンザの語源であると言われています。
インフルエンザの種類
インフルエンザの種類は、大きく分けてA型・B型・C型・D型の4種類あり、ヒトに感染するのはA型・B型・C型のみで、A型はさらに細かい種類に分かれます。
流行的に広がるのはA型とB型で、D型は家畜にしか感染しません。
インフルエンザと口腔ケアの関係
口腔内細菌とウイルス感染
口腔内には多くの細菌が存在しますが、これらの細菌はインフルエンザウイルスへの感染に関与しています。とくに、口腔内細菌が分泌する特定の酵素がウイルスの細胞侵入を助けることが知られています。このため、口腔ケアによって細菌数を減少させることで、インフルエンザ感染のリスクを低下させることができます。高齢者にとっては重要な対策であり、日々の口腔ケアがインフルエンザ対策として効果的であるとされています。
唾液の抗菌作用とIgA
インフルエンザの予防において、唾液の役割は非常に重要です。唾液には自然の抗菌成分が含まれており、その中でもIgA(免疫グロブリンA)はとくに注目されています。IgAは体内に侵入してくる病原体を捕捉し、その活動を抑制する効果があります。そのため、唾液分泌が正常な状態を保つことで、インフルエンザの感染を防ぐことが期待できます。流行の前に口腔ケアをしっかり行い、唾液の働きを活性化させましょう(※2)。
※2)[引用] オーラルウェルネス推進委員会 感染の水際対策
効果的な口腔ケアの方法
起床時の口腔ケア
インフルエンザの流行が始まる前から、毎朝の口腔ケアを徹底することは、インフルエンザ対策に効果的な手段です。起床時は口腔内が唾液の減少により乾燥しやすく、細菌が増殖しやすい状態です。このため、朝一番に口をすすぎ、歯磨きを行うことで、唾液の抗菌作用を高めることができます。
うがいの効果についてはコラム [大人も子どもも効果的な「ブクブクうがい」でお口のトラブルを防ぎましょう!]を参考にしてください。
寝る前の歯磨き
寝る前の歯磨きは、1日の終わりに口腔内をインフルエンザウイルスから守るために重要です。夜間は唾液の分泌が減少し、むし歯や歯周病の原因となる細菌が増えやすくなります。また、これらの細菌がインフルエンザウイルスの感染を助長する可能性もあります。寝る前には、歯ブラシでしっかりと歯垢を取り除き、うがいをして口腔内の清潔を保ちましょう。
舌磨きの重要性
効果的な口腔ケアには歯ブラシによる歯磨きだけでなく、舌磨きの実施も欠かせません。口の中でも感染のリスクを高める要素といわれているのが「舌苔」です。口腔内の細菌の多さと感染リスクは直結しています。本格的な流行を迎える前に舌磨きを習慣化することで、口腔内をより清潔に保ち、インフルエンザなど細菌による感染症を予防します。
また、アメやタブレットをなめることで、唾液の分泌も促すことができます。唾液には口腔内の細菌を洗い流し、清潔に保つ役割があるので、舌苔の予防にも役立ちます。ただし、キシリトールが配合されているものを選ぶなど、むし歯予防には気をつけましょう。
日常生活での口腔ケアの実践
外出時の対応
インフルエンザの流行の前には、外出時の口腔ケアも重要です。ウイルスが飛沫や接触を通じて広がることを考慮し、外出後は必ずうがいや歯磨きを行いましょう。外出先から戻った際の手洗いと同時に口腔内も清潔に保つことで、ウイルスの侵入を防ぐ対策が講じられます。加えて、マスクの着用や人混みを避けることも効果的です。
水分補給と口腔内の清潔維持
インフルエンザ予防には、常に口腔内を清潔に保つことが推奨されています。口腔内の細菌がインフルエンザウイルスの感染を助長することが知られているため、こまめな水分補給とともに口腔内を清潔に保つことが有効です。水分を摂ることで唾液の分泌が促進され、抗菌作用が増します。
歯科医院でのクリーニングの効果
歯科医院での定期的なクリーニングも、インフルエンザの予防において顕著な効果を発揮します。口腔内の清潔を維持することで、ウイルスの付着や細菌の増殖を防ぐことが可能です。定期的なクリーニングは、インフルエンザをはじめとする感染症の予防に役立ち、とくに小児や高齢者にとっては重要な対策となります。
まとめ
いかがでしたか?今回はインフルエンザやその予防について紹介しました。感染のリスクを高める要素が「舌苔」だということや、唾液の免疫力を高める働きなど、さまざまなことがわかってきています。本格的なインフルエンザの流行を迎える前に、舌磨きをはじめとするセルフケアと歯科医院でのクリーニングの効果などを患者さんに伝えていきたいですね。