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歯科ではあまり知られていない!? 在宅訪問管理栄養士とは

こんにちはDキャリアプラス運営事務局です。

皆さん、栄養士さんの存在はご存じかと思いますが、管理栄養士さんと栄養士さんの違いや、なり方は詳しく知らない方が多いのではないでしょうか?

また、この管理栄養士にも在宅にお邪魔して、栄養指導をする「在宅訪問管理栄養士」という方が存在します。

今回は、この「在宅訪問管理栄養士」について、ご紹介します。

 

在宅訪問管理栄養士とは

在宅訪問管理栄養士とは、在宅医療を必要とする療養者や要介護者の方が、安心で快適な生活をおくることができるよう、住み慣れた自宅で栄養ケアを行う管理栄養士を指します。

在宅訪問管理栄養士には、医科、歯科などと連携しながら、在宅療養者の状態を診て、その方に合った専門的な栄養指導を行うことが求められます。

一言に在宅療養者と言っても、病院への入院、介護施設への入所を望まれる方もいれば、それを望まない方もいらっしゃいます。

入院・入所を望む方であれば、専門的な栄養指導を病院・施設サイドで、担うことができます。しかし、それを望まない方の場合、自宅にいながら栄養バランスが取れた食事を取ることは簡単ではありません。そんな時に活躍するのが「在宅訪問管理栄養士」です。

参考:(https://www.dietitian.or.jp/career/specialcertifications/home/

 

お仕事内容

在宅訪問管理栄養士のお仕事は主に、在宅療養者の自宅に訪問し、栄養・食事の指導を行います。訪問の頻度は療養者1名ごとに、月に1回~2回程度、1回の訪問は30分~60分程度。療養者の状態・状況について、ご本人とご家族からヒアリングを行い、食生活の問題を解決できるよう指導をします。

 

食事指導の内容は、食事管理を主として、偏食の改善提案、体重管理など(その他、多数)あり、多岐に渡ります。また、療養者ごとに食欲、好き嫌い、嚥下機能の状態が違いますので、その方に合った栄養指導を行うことが必要です。

 

在宅での栄養相談・指導を終えた後は、医科・歯科・ケアマネジャーなどと連携して、療養者ご本人やご家族に寄り添った支援を考えます。

栄養ケア内容の計画や見直し、今後の訪問の継続可否や終了時期などを決めるのも、管理栄養士の大切なお仕事です。

 

訪問歯科との連携

訪問歯科において、管理栄養士の存在は栄養指導・食事指導を行う際に強い味方となります。訪問診療の患者さんの多くは、疾患、加齢、服薬などの影響で摂食嚥下機能が低下しているとともに、低栄養の状態にあることが多いと言われています。

そのため、摂食嚥下リハビリを実施する際には、栄養状態にも注視することが求められています。

 

患者さんへの栄養指導・食事改善は、歯科医師・歯科衛生士だけで行うよりも、「食」の専門家である管理栄養士と連携して行うことがとても重要です。

施設の場合には、施設内の管理栄養士との連携が容易でしたが、在宅の場合には管理栄養士と連携する機会がなく、「食」の専門家ではない歯科医師・歯科衛生士が指導を行ってきました。

 

報酬改定

2020年4月に診療報酬改定がありました。

この改定により、地域の「認定栄養ケア・ステーション」に所属する管理栄養士が、医師の指示の下、「在宅患者訪問栄養食事指導」を実施できるようになりました。

 

今後、在宅訪問診療において、管理栄養士との連携の機会が増える可能性は高く、管理栄養士との協働できるようになるために、「在宅訪問管理栄養士」の業務内容などを詳しく知っておく必要があります。

また、「在宅患者訪問栄養食事指導」の制度などもきちんと理解しておくことがとても大切になります。

 

まとめ

在宅訪問管理栄養士の存在、お仕事内容についてご紹介しました。

皆さんがお仕事されている歯科医院では、訪問歯科を導入されていますか?

もし、導入されているようでしたら、食事指導などに困った時は、お近くの「認定栄養ケア・ステーション」を探してみてください。

知られていないだけで、意外とたくさん事業所がありますよ!

 


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