コラム

知る・学ぶ

栄養学から見るフレイル予防 3つの心がけが大切

栄養学から見るフレイル予防コラムタイトル

こんにちはDキャリアプラス運営事務局の岡元です。

前回の「お口は栄養の入り口 歯と栄養の関係を知って全身疾患を予防しよう」では、基礎知識をご紹介しました。

今回は、高齢者領域(介護施設、訪問歯科)における栄養の知識についてお話しします。

 

超高齢社会

2022年現在、日本の高齢化率は28.9%と高く、世界第1位です。高齢化がこのままのペースで進むと、2060年には2.5人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上となります。人口の1/3が高齢者なんて昔は考えられないことでした。

人は加齢とともにさまざまなリスクが高くなります。その中のひとつ、口腔機能が低下する“オーラルフレイル”は症状が進行すると、身体に必要な栄養をお口から取り入れることができなくなり、サルコペニア・フレイルになってしまう可能性があります。

(出典:内閣府「令和4年版高齢社会白書」

 

サルコペニア・フレイルとは?

サルコペニア

加齢に伴い筋肉量が減少し、筋肉や身体能力が低下している状態。
歩く、立ち上がるなどの日常生活にも影響が生じます。

フレイル

加齢に伴い身体の予備能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態

虚弱状態ともいわれ、介護が必要になる前段階ともいえます。
この2つが合わさった状態を「サルコペニア・フレイル」といいます。

サルコペニア・フレイルの原因

主な原因は「加齢」「活動量の低下」「栄養不足」大きくはこの3つです。
年をとると、自宅から出ることが億劫になるなど、生活活動量が低下することで、徐々に全身の筋力が衰えていきサルコペニア・フレイルを引き起こします。

3つの心がけでフレイル予防

栄養

バランスの取れた食事をし、低栄養による「やせすぎ」を防ぐ!

食事は1日3回、主食、主菜、副菜は最低限食べること。食事をとることが難しい場合は、間食などして補います。

・筋肉生成に効果のある栄養素“たんぱく質”

肉・魚・卵・大豆

・筋肉を動かすエネルギー源の“炭水化物”

米・パン・麺類

・たんぱく質の働きを助ける“ビタミンB6”

マグロの赤身・レバー・鰹・ささみ・キウイ・バナナ

などをバランスよく摂取することが大切です。

ご年配の方の中には、お口の筋力が弱まり噛むことが難しい場合や、歯が数本しか残っておらず固形物を食べることができない場合があります。その場合には、お口の状態に合わせた介護食を作る、購入するなどして、栄養を取るようにオススメしてみましょう。

 

〔ユニバーサルデザインフード〕

市販の介護食を購入する場合、4段階別で選ぶことができます。

①軟菜食

②ソフト食

③ミキサー食

④流動食

 

運動

普段よりも大きく動くことで、筋力の維持に期待できます。
運動ができる方は、スクワットや片足立ちをして筋力の維持向上を目指します。運動したあとは、30分以内にたんぱく質を摂取すると、より筋肉の生成に効果的です。
また、運動することができない場合でも、良い姿勢を維持することでも運動の代わりになります。逆に姿勢が悪くなると、腰が曲がってしまったり、肩こりや腰痛が悪化したりするので注意が必要です。

 

【スクワット】

効果:太もも・足の筋肉を鍛えられる
深呼吸するペースで膝の曲げ伸ばしを5~6回繰り返す。1日3回程度を目安に行います。

【片足立ち】

効果:体感、バランス感覚が鍛えられる
左右1分間ずつ、1日3回程度を目安に行います。

社会参加

社会参加とは、主に就労やボランティア活動、ご友人や隣人との交流などを指します。
社会とのつながりを失うことが、フレイルの最初の入り口と言われています。

来院されるご高齢の患者さん、施設に来られる利用者さんやそのご家族とお話しするチャンスがあれば、上記のことを伝えてみてください。ご家族からの信頼を得ることができれば、自宅でのセルフケアのお話しもしやすくご家族がそれをサポートしてくれます。

食事をメモするようにすすめてみる

フレイル予防には、ご自身の栄養状態を把握することがとても大切です。

・1食あたり何品目食べているか

・1食あたり何品目食べているか

食事内容から栄養状態を把握し、患者さんに説明できるように、栄養素について知識を身に付けていきましょう。「血液検査」でも栄養状態をある程度、知ることができます。

患者さんへ「普段何食食べていますか?」など聞きながら、ご自身の栄養状態を把握するよう促し、メモをとるようにおすすめしましょう。

まとめ

今回は、高齢者領域で使える栄養の知識をご紹介しました。
ご自身が診ている患者さん(利用者さん)が今より元気に過ごせるように、栄養面のサポートもしていきましょう。栄養指導によって食に対する意識を高めることは、患者さん(利用者さん)を健康なお口に近づくことにつながります。
体に良い食事を食べるためには、お口や歯の良い状態を保つことも必要です。


 

サルコペニアチェック

☑体格指数(BMI指数)が18.5未満(筋肉量の低下)

☑横断歩道を青信号で渡りきれないことがある(歩行能力の低下))

☑ペットボトルや瓶の蓋が開けにくい(筋力の低下)

 

指輪っかテスト

わっかテスト

 

今後Dキャリアプラスでは、栄養についても発信を行なっていきます。
患者さんだけでなく、ご家族の健康寿命を長くできるよう歯科衛生士のみなさんも栄養について知識をつけていきましょう。