【第2回】オーラルフレイルを予防するためにできること
こんにちは。Dキャリアプラス代表、歯科衛生士の城 明妙(しろ あけみ)です。
第1回は、『お口と身体の健康にかかわる「オーラルフレイル」を知る』ということで、オーラルフレイルが重要な理由などを解説しました。
第2回では、オーラルフレイルを予防するために歯科衛生士は、どのようなことができるのかをご紹介いたします。
オーラルフレイルの予防には何が必要か
オーラルフレイルを防ぐには常に口腔内を清潔に保つこと、口輪筋やその他筋力の維持・改善に努めることが必要です。
そのためには、日々の自分で行うケアと定期的な歯科医院でのケアが不可欠です。
さらに、患者さんの表情やお話の仕方から口腔機能の変化に気づくことができるように、さまざまな視点を持つことが重要です。
口腔機能を維持向上するための口腔ケア
歯を失うとオーラルフレイルになりやすくなってしまいます。むし歯や歯周病など歯を失う原因を減らすためにも、患者さんにセルフケアの重要性を改めてお伝えすることも歯科衛生士ができることの一つです。
例えば、次のようなことが挙げられます。
●毎日、丁寧に歯磨きをしましょう。
●歯ブラシ以外に、歯間ブラシやデンタルフロス、洗口液を活用しましょう。
●歯ブラシは一カ月に一度など、定期的に交換しましょう。
●歯科医院の指導の下、義歯の正しいケアを行いましょう。
●規則正しい生活習慣を心掛けましょう。
●口腔トレーニングをしましょう。
歯科医院で行う口腔ケア
患者さんは、自分ではきちんと磨けているつもりでも、きれいに落とし切れていない汚れが少しずつ積み重なっている方も多くいらっしゃます。
セルフケアだけでは落とし切れない汚れや歯石などは、歯科医院で清掃を受ける必要があります。患者さんに定期的な歯科医院での健診を促しましょう。
また、健診の際などに一人ひとりに合ったケアグッズや正しいブラッシング方法を患者さんにお伝えして、日々のセルフケアをより良いものにしてもらいましょう。
オーラルフレイルの予防は、患者さんがご自身のお口と向き合い、主体的に口腔機能向上に努めてもらうことが大切です。
そのための理解を促す行動を、歯科医療従事者が指導していくことが重要です。
オーラルフレイルリスクチェック
患者さんのささいなお口の変化(オーラルフレイル)に気づくために、チェックリストとしてご活用ください。
チェック結果
① 合計0点~2点 オーラルフレイルの危険性は低いです。
② 合計3点 オーラルフレイルの危険性があります。
③ 合計4点以上 オーラルフレイルの危険性が高いです。
まとめ
いかがでしたか?
患者さんのお口の健康を支える方法はさまざまです。歯科医院でのケアはもちろんのこと、日々のセルフケアの質を向上させるお手伝いをすることも、方法の一つです。
歯科衛生士の意識を「100%歯磨き」から「口腔機能の維持向上」にギアチェンジしましょう!
次回は、「オーラルフレイル対策のトレーニング方法」についてご紹介します。
訪問口腔ケアや、摂食嚥下については「認定制度DSアカデミー」で基本から押さえて学ぶことができるカリキュラムを用意しています。