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今さら聞けない!歯磨剤の使用期限と安全性について知ろう

5月22日公開コラムタイトル

 

こんにちは。Dキャリアプラス編集部です。
私たちに身近な歯磨剤ですが、使用期限があるのはご存じでしたか?
今回は「歯磨剤」の使用期限や安全性などについて、紹介します。参考にして、患者さんとの会話やアドバイスに活用してくださいね。

 

歯磨剤に使用期限はあるの?

洗面所で歯みがきの準備

歯磨剤とは?

歯磨剤とは歯みがき剤のことをいい、歯みがきの際に一緒に使用することで汚れを落とす効果を高めてくれる製品です。
薬用成分を含む歯磨剤では、むし歯や歯周病の抑制・予防、口臭除去など、目的別に使い分けることでその効果を得ることができます。

歯磨剤は含有成分によって三種類に分類される

歯磨剤のように人体に使用される製品は、正しい使い方、適正な品質を確保するために、医薬品医療機器等法という法律で規制されています。
歯磨剤は「化粧品」「医薬部外品」「医薬品」のいずれかに分類されており、含まれている薬用成分は、歯磨剤の裏にある成分の欄で確認できます。

歯磨剤の分類

*【医薬品医療機器等法】
正式な名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言います。対象物の品質・有効性や安全性を確保し、保健衛生上のリスクを防ぐことを目的として作られた法律で、「薬機法」や「医療機器等」などと略して呼ばれることもあります。

[参考] 厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
 

使用期限切れの製品で考えられるリスク

歯磨剤を使用期限切れのまま使うと、いくつかのリスクが生じる可能性があります。
例えば、品質が劣化し、清潔感や効果が減少することがあります。とくに、歯磨剤に含まれるフッ素や抗菌成分は、時間が経つと効果が弱まる場合があるため、むし歯予防や口腔ケアが充分に行えなくなることがあります。
また、保存状態によっては、異臭が発生したり、成分が分離したりといった物理的な変化が起こり、快適に使えないことも。環境条件が悪い状態(高温や湿度)で保管された場合、未開封でも3年目以降の品質低下リスクが高まることに注意が必要です。
 

色や臭いの変化から判断する方法

使用期限切れの製品を安全に使えるかどうかを判断するためには、まず目視や嗅覚で状態を確かめることが重要です。通常の色合いと比べて黄色っぽく変色していたり、分離液体が表面に浮いていたりする場合は、品質が大きく低下している可能性があります。
また、不快な臭いや通常とは異なる香りを感じた場合も要注意です。液体マウスウォッシュや洗口液では、液体の透明度が低下している、あるいは曇ったように見える場合には使用を避けた方が良いでしょう。
 

使用を続けるか判断する際のポイント

使用期限切れの歯磨剤や関連製品を使い続けるべきかどうかを判断する際には、見た目や臭いの確認だけでなく、製造年月日を基準にすることも有効です。
未開封の製品で、適切な保管方法(直射日光や高温多湿を避ける)に従っていれば、製造から3年間程度は比較的安全に使える場合が多いとされています。
しかし、開封済みの製品は空気や湿気による影響を受けやすいため、できるだけ早く使用するようにすることが望ましいです。使用感に違和感がある場合や、変色・異臭がある製品は、念のため使用を中止するのが安全です。
患者さんから相談された場合には上記のほか、製品を提供するメーカーに直接問い合わせたり、製品を歯科診療所にお持ちいただき、相談してほしいとお伝えしましょう。
 
 

歯磨剤の適切な保存方法とは?

高温高湿NG
 

直射日光や高温多湿を避ける

歯磨剤は、直射日光や高温多湿を避けた場所で保管することが重要です。とくに夏場の車内や窓際など温度変化の激しい場所は避けましょう。未開封の場合でも、保管状態が悪いと製造から3年間の品質を保てないこともあるため、使用期限を意識した保管が必要です。
 

キャップや容器を清潔に保つ

歯磨剤のキャップや容器周りの清潔さも忘れてはなりません。使用後にキャップをしっかり閉めることで、乾燥や異物の混入を防ぎます。とくに液体タイプの歯磨剤や洗口液の場合は、保管時にボトルの口や蓋が汚れないよう気をつけましょう。キャップや容器が汚れていると、細菌の繁殖につながる恐れがありますので、清潔を保つことが必要です。

小型サイズ製品の劣化にも注意

トラベルセットやミニサイズの歯磨剤はスペースの関係上、製造年月日の表示が記載されていない場合もあるため、購入時期を把握しておくと安心です。
さらに、未開封でも取り扱いや保管条件によっては劣化することがあります。製品の状態に違和感がある場合は使用を控えるようにしましょう。

トラベル用デンタルグッズ
 
 

歯磨剤の安全性と使用期限のチェック方法

歯磨剤の安全性

歯磨剤は口腔内で使用されることから、一部飲み込んだ場合や長期間使用した場合の安全性、歯ぐき、舌、口腔粘膜(口腔軟組織)や歯(歯牙硬組織)に対する安全性には十分な配慮がなされ、各企業の責任で安全性を確認したものが販売されています。
そのうえ、製造から少なくとも3年間は品質を保つように設計されています。3年を過ぎても直ちに使用できなくなるわけではありませんが、高温や直射日光、および湿度が高い場所、温度変化が激しい場所を避けて保管することが重要です。

[出典] 日本歯磨工業会 歯みがき類の歴史・機能・効果 Q&Aより
 

購入時に確認すべき製造日や注意事項

2018年以降、歯磨剤には製造年月日の表示が義務付けられており、表示のない製品はそれ以前に製造された可能性があります。
パッケージに記載された8桁などの数字がその日付を示しています。たとえば「20180712」と記載があれば、それは2018年7月12日に製造されたことを意味します。このような情報を確認することで、購入時点での鮮度や使用期限をおおよそ把握することができます。
※各メーカーのホームページなどで製造年月日の確認方法が紹介されています。

[参考] ライオン 歯磨剤・洗口剤使用期限・保管/廃棄方法
 
 

まとめ

今回は歯磨剤の使用期限についてご紹介しました。日常的なオーラルケアを安全かつ効果的に行うためには、自身が使用する歯磨剤を確認する習慣も大切です。使用期限が過ぎた製品や不適切な保存状態の製品を使用し続けると、期待される効果が得ることができません。ストックしている製品を使用する際には、製造年月日や注意事項を確認する習慣を患者さんにお伝えしていきましょう。
 
 
 

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