天気が悪い日の体調不良や歯の痛み、低気圧が原因かも⁉気象病や天気痛、ご存じですか?
こんにちは。Dキャリアプラス編集部です。
沖縄など、梅雨明けをした地域もありますが全国的に梅雨へと突入しました。
日本気象協会によると梅雨入りが遅かったとはいえ、梅雨の期間が長くなることはないと見込まれており、平年並みの梅雨明けの可能性もあるとの見方を示しています。
この時期、頭痛や肩こり、だるさといった症状が気になる方はいらっしゃいませんか?
梅雨時期の体調不良や歯の痛みなど「気象病(天気痛)」に悩まされる人が増えているそうです。
そこで、今回は「気象病(天気痛)」についてご紹介したいと思います。
気象病(天気痛)とは
気象病とは、気候の変化によって持病が悪化したり、心身に不調が生じたりすることです。その中でも、痛みや気分障害に関わる症状を「天気痛」といいます。
天気痛の症状には、次のようなものがあります。
- 片頭痛
- 肩こり
- 腰痛
- 関節リウマチ、関節痛
- めまい
- 倦怠感
- 気分の落ち込み
- 耳鳴り
- 眠気
- 体がむくむ
- ぜん息が悪化する
など、雨の日や台風が接近しているときや天気の悪い日に、多くの人が天気痛に悩んでいます。
低気圧の通過によって歯周病が悪化することも
また、歯の痛みなどについては「慢性歯周炎が急性化するのは気象変化後1〜3日である」と、2015年岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)予防歯科学分野の森田学教授、竹内倫子助教らの研究グループが発表しています。
森田教授、竹内助教らの研究グループは、岡山大学病院予防歯科を受診している「安定期にある慢性歯周炎患者」延べ2万人を調査し、慢性歯周炎の急性期の発生と気象状態との関連を分析しました。
慢性歯周炎の急性期症状を発症した症例(発症率1.87%)のうち、歯科関連の要因が発症要因とは考えにくいケースに注目。
「気圧低下の毎時変化が大きい」、「気温上昇の毎時変化が大きい」といった気象変化があった日の1~3日後に急性期症状を発生しやすいことを突き止めました(※1)。
なぜ1〜3日後かというと、気圧の低下はストレスホルモンの分泌に影響を与え、歯周病関連菌の増殖を促すという報告があり、歯周病菌が歯周ポケットで増殖して炎症反応を引き起こすため、気圧の低下から症状の悪化まで時間差があると考えられています。
(※1)岡山大学 NEWS&RELEASE 慢性歯周炎の急性期の発生は気象変化後1〜3日 2015年10月23日
気象病(天気痛)の予防方法について
梅雨は、低気圧が前線の上を繰り返し通過している状態が続く時期なので、気温や気圧・湿度が毎日のように変化するため、さまざまな体調不良を起こしやすくなります。
とくに気圧の変化は、強く影響を与えます。
耳の奥にある内耳の気圧センサーが気圧の変化を察知すると、情報が脳にストレスとして伝わり自律神経に影響を与え、不調の原因となることがわかってきました。
このため、耳まわりの血行をよくすることが効果的だといわれています。
下記のように耳をマッサージしてみましょう。
- 両耳を手でつまんで上下や横に引っ張る。
- つまんだまま回す。
- 手のひらで耳全体を覆い、後方向に円を描くようにゆっくり回す。
血流が滞ると痛みが発生しやすくなるため、首や肩などのマッサージをして筋肉をほぐすことも効果的。頭痛が起きそうな日は外出やアルコールを控える、リラックスして過ごすようにするなど、セルフコントロールでの対処や鎮痛薬を服用することが大切です。
激しい痛みや頭痛が続く場合は、重篤な病気の可能性もあるため、頭痛専門医や脳神経内科などを受診しましょう。
梅雨時期のアドバイス
患者さんとの会話で、梅雨時期に体調がよくないという方はいらっしゃいませんか?
そのような場合には、気圧の変化で「歯が痛くなる」可能性をお話ししてみてはいかがでしょうか。
毎日のセルフケアに加え、気圧や気温の変化が起きそうだと予測されるときには洗口剤の使用を合わせて、細菌の繁殖を抑える工夫などもお伝えしましょう。