子どもの顎の骨が成長するために必要なこと 歯並びが悪くなる原因はコレ
こんにちは。Dキャリアプラス運営事務局です。
Dキャリアプラスをご覧いただいている歯科衛生士さんの多くは、一般歯科でお仕事されているかと思います。
一般歯科では成人の患者さんだけでなく、小児の患者さんもいらっしゃいますよね。
「小児歯科」は看板やHPに乗せていないのにもかかわらず、小さいお子さんが来院される歯科医院もあるのではないでしょうか。
来院される小児の患者さんの親御さんから、よく相談されるであろう「歯並び」
今回は、歯並びが悪くなる原因と、その対策についてご紹介します。
子供の顎の成長
まず始めに、子どもの顎の成長に必要なものについてご紹介します。
- バランスの良い食事
- 十分な睡眠
- 適度な運動
- 口呼吸をしない
バランスの良い食事とは、カルシウムやタンパク質、ビタミンなどの栄養素をバランスよく摂取することを言います。
カルシウムは骨の形成に必要な栄養素であり、タンパク質は筋肉の成長に必要な栄養素です。
ビタミンは、骨の成長を促進する働きがあります。
十分な睡眠は、成長ホルモンの分泌を促します。成長ホルモンは、骨の成長にとても大切な要素のひとつです。
適度な運動は、骨の成長を促進します。骨の成長には、必要な栄養の摂取と骨への刺激が必要です。
口呼吸は、顎の成長を阻害する可能性があります。
顎の成長を阻害するだけでなく、口腔内の乾燥や虫歯、歯並びの悪化などの原因ともなります。
また、口呼吸をしていると舌の位置が下がり、上顎の成長が著しく阻害されることも有名ですよね。
子どもの顎が成長する時期は?
子どもの顎が成長する時期は、小学校低学年(6~8歳前後)までと言われています。
上下同時に成長していくかと言うとそうではなく、上顎から成長していき、それを追う形で後から下顎が成長します。
上顎の成長は、6歳~8歳でピークを迎え、10歳ごろまで成長し続けます。
下顎の成長は、上顎に比べて長く、男子は18歳頃、女子は15歳頃まで成長していきます。
顎の発達が不十分
子どもの顎の発達が充分でないまま、永久歯が生えてきてしまった場合にどんなことが起こるでしょう。
乳歯の場合は、歯自体が小さいため、顎が小さくても収まる場合がありますが、永久歯は乳歯と比べて大きく丈夫です。
想像せずともわかるかと思いますが、小さい顎のまま、大きくて丈夫な永久歯が生えてくると不正咬合を引き起こします。
①乱ぐい歯
乱ぐい歯とは、歯が重なったり、でこぼこしたりしている状態を言います。
見た目が悪いだけでなく、きちんと歯磨きすることが難しいため、歯周病や虫歯などのリスクを高める可能性があります。
②受け口
受け口とは、下顎が上顎よりも前に出ている状態を言います。
下顎が前に出ているため、歯を噛み合わせると上顎の歯が下顎の歯よりも後ろに隠れてしまう。
また、見た目が悪いだけでなく、噛み合わせが悪く、発音障害や歯周病などの原因になる場合があります。
③出っ歯
出っ歯とは、上顎の前歯が下顎の前歯よりも前に出ている状態を言います。
これも見た目が悪いだけでなく、噛み合わせの悪さや発音障害、歯周病などの原因になることがあります。
④オープンバイト
オープンバイトとは、上下の歯が噛み合わずに開いている状態を言います。
開口障害の一種で、オープンバイトには、複数の原因があります。
- 舌の位置異常
- 口呼吸
- 唇の閉じが悪い
- 顎の成長異常
- 筋肉の異常
- 先天性異常
不正咬合にならないために
ここまで、顎の成長に必要なものや、発達が不十分な場合に起こるリスクについてご紹介しました。
ここからは、リスク回避のために必要なことをご紹介します。
①舌の位置を正常に保つ
舌を正しい位置に保つには
- 舌を上の歯に触れるようにする
- 口を閉じているときに、舌を舌骨の上に置く
- 舌を動かすストレッチをする
- 舌を正しい位置に保つための装置を使用する
②正しい鼻呼吸
正しく鼻呼吸をするには
- 口を閉じて、鼻からゆっくりと息を吸い込む。
- 鼻からゆっくりと息を吐く。
- これを繰り返す。
③正しい飲み込み方
正しい飲み込み方をするには
- 口を閉じて、舌を上あごの奥につける。
- 食べ物を前歯で細かく噛む。
- 飲み込むときは、舌を奥に押し込み、喉を閉じる。
- ゆっくりと飲み込む。
まとめ
今回は、子どもの顎の成長についてご紹介しました。
正常に顎が成長していけば、不正咬合を引き起こしにくくなります。
不正咬合は、むし歯や歯周病の原因となりますので、親御さんとしてもできるだけ防ぎたいと考えているはずです。
矯正治療ももちろん素晴らしいですが、矯正治療の前にできることがたくさんあります。
歯科衛生士の皆さんには、ぜひ正しい知識を持って、子ども達のお口の健康も守っていってくださいね。