株式会社ルピナス オーラルフレイル予防に注力 ~「吹き戻し」で医療と介護に貢献~
こんにちは。
Dキャリアプラス代表、歯科衛生士の城 明妙(しろ あけみ)です。
今回はオーラルフレイル予防に注力されている企業様のご紹介と商品説明となります。
皆さん、「吹き戻し」という玩具はご存じですか?
口にくわえて息を吹き込むと、ピーッという音とともに袋状の巻紙が伸び、吹くのをやめるとクルクルと戻ってくる笛のおもちゃです。お祭りや縁日などでよくみかけましたね。誰もが一度は遊んだことがあるのではないでしょうか?
そんな昔懐かしい吹き戻しを口腔ケア用品「長息生活(ながいきせいかつ)」として開発し、医療・介護現場への導入を図っているのが広島県三次市に本社を置く、株式会社ルピナス(医療・介護用品レンタル販売、新商品企画開発)さんです。https://kaigolupinus.com/
今回、同社の東京オフィスに訪問し、山本博一会長に「長息生活」開発秘話や、
今後の事業構想などお聞きしました。
真の健康は「呼吸」と「嚥下」から
古くから玩具として親しまれてきた「吹き戻し」。
近年、老人医療や介護現場において口腔機能の改善効果が認められ、改めて注目されています。
「吹き戻しを使ったトレーニングは、広島県のモデル事業として県内8カ所の病院・施設で実施されました。
呼吸機能に大きな改善が見られたと報告されています。」
と語るのは、吹き戻しを玩具にとどめず、口腔ケア用品として進化させたルピナスの山本会長。
「長息生活」という商品名で、「レベル0~2」の3段階の負荷を加えた吹き戻しを販売しています。
「レベル1は通常負荷で、日常会話をハッキリとした声で話す程度。レベル2は通常より負荷を加え、ロウソクの火を吹き消す程度です。そしてレベル0は、レベル1・2でも吹けない人のために用意した軽い負荷のもので、ティッシュペーパーを1枚吹いて揺らす程度です。」
「長息生活」は巻紙部分を袋状部の長さと、それに内蔵するステンレス製針金の本数で不可を調節しており、レベル1は袋状部の長さが35cm:針金が1本、レベル2は35cm:2本、レベル0は25cm:1本という仕様です。
また、吹き口にはくわえやすいシリコン製チューブを装備するなど、玩具とは違う質の高さも特徴。
形状記憶の強いステンレス製針金の使用に加え、袋状部の紙の質や重さにもこだわったことで、常に安定した負荷でトレーニングできます。
「加齢に伴って呼吸循環機能が低下するのは、肺を動かす筋肉や、体中に血液を送る心臓のポンプが劣化するため、脳や心臓、筋肉に十分な酸素がめぐらなくなると、認知症などのリスクが高まり、自立した生活が困難になります。酸素摂取量の低下スピードを遅らせるには、適度な有酸素運動が有効。それには、呼吸を整える訓練が重要です。
呼吸の訓練でも、特に“吐くことが大事”と力説する山本社長。呼吸機能が改善すると、安全に嚥下できるだけでなく、会話も楽しみながらスムーズに食事ができるようになるそうです。
「真の健康は“呼吸”と“嚥下”から。呼吸力の衰えから嚥下力が低下し、食事が困難になって誤嚥性肺炎を招くのです。
肺炎になってから対処療法をするのではなく、肺炎にならないよう、予め口腔機能を訓練しておくことが大切。
そう考えて、口腔機能のトレーニングに使えそうな商材をあれこれ探し、“吹き戻し”に辿り着きました」
単なる玩具にすぎない「吹き戻し」を「口腔ケア用品」へ――。その柔軟なアイデアは、20年に及ぶ医療現場でのビジネスで培った「経験にもとづく勘」によるものでした。
と今回はここまで!
次回part②は
◆「しんどい」の一言で吹き戻しの可能性を確信
開発秘話、何にヒントを得たのか?
◆吹き戻しの効果を実証、広島県のモデル事業へ
その効果はいかに!?訓練風景!
の二本立てとなります。