小児歯科の基礎知識 一般歯科でも使えます!
こんにちは。Dキャリアプラス運営事務局です。
みなさんの職場には、小さいお子さんはいらっしゃいますか?
診療所によっては「小児歯科」と書かれてはいないけれど、たくさんのお子さんが来院されるという場合もあります。
小さいお子さんが来院された時に、どう対応して良いのだろうと思ったことはありませんか?
お子さん自身の対応はもちろん、親御さんへの対応も難しいと感じることもあるでしょう。
そこで今回は、小児患者への対応についてご紹介したいと思います。
ぜひ、最後までご覧ください。
小児歯科での注意点
子どもの心理的ケア
子どもは、歯科治療に対して恐怖や不安を抱きやすいものです。
そのため、歯科医師やスタッフは、子どもがリラックスして治療を受けられるように、さまざまな工夫をします。
子どもの心理的ケアのポイント
■子どもが怖がったり、泣いたりしていたら、無理に治療を進めない
子どもが怖がっている状態のまま、治療を進めてもスムーズには進みません。
まずは、落ち着かせてから治療に移りましょう。
★具体的な工夫
子供向けの絵本やおもちゃなどを事前に用意しておきましょう。
できれば、5種類くらいのジャンル(キャラクター)から3つずつ程度、用意しておくことをおすすめします。
■治療内容や方法を、子どもにもわかりやすく説明する
治療の説明をできる限り分かりやすく説明してあげてください。
中には、言葉全てを受け取れない子もいますので、工夫をして根気よく対応してください。
★具体的な工夫
治療内容を言葉で伝えるだけでは、小さい子どもには伝わらないことが多いです。
その場合には、事前に治療内容を絵本や、図にしておくと良いです。子どもには、言葉だけで伝えるよりも、絵の方が伝わりやすいこともあります。
小さいホワイトボードに、お口の絵を書いて、ペンで歯の部分にフッ素塗布をしてもらってみるなど、自分で体験してもらうことで理解が深まる場合もあります。
■治療中に、子どもがリラックスできるように、さまざまな工夫をする
いざ、治療に入ると、あれだけ楽しく遊んでいた子どもが急に泣き出したり、叫びだしたりすることがあります。できるだけ、子どもがリラックスした状態で治療をできるよう工夫をしましょう。
★具体的な工夫
治療中は、子どもに声をかけながら、楽しい雰囲気を作ってみてください。
子どもは、楽しいことが大好きです。歯医者さんは、楽しいところという印象を持ってもらうことで、次回の来院時にもスムーズに治療に入れますよ。
■子どもが治療を受けやすいように、待合室や治療室の雰囲気づくりを工夫する
前項でもご紹介しましたが、子どもが治療を受けやすいように、楽しい雰囲気を作りましょう。待合室や治療室も楽しい雰囲気にすることで、こども楽しい気分になりやすくなります。歯科医院=楽しいところ、という印象を持ってもらいましょう。
★具体的な工夫
入口を装飾するのは、中々難しい場合が多いため、待合室に子どもが好きな装飾するゾーンを作ってみましょう。よく見るのは、待合室に子ども用のスペースがあり、絵本やおもちゃを置いておくなどの対応。
その他には、保育士さんを配置するなど、歯科医院ごとに違った工夫をしていますね。
■治療後の様子を保護者に伝え、家庭でのケア指導を行う
治療が終わったらたくさん褒めてあげてください。「がんばったね」「かっこよかったね」など、子どもが嬉しくなる言葉をかけてあげると、嫌だった気分も少しは良くなります。
その後、保護者には家庭でのケアをできるよう指導しましょう。
★具体的な工夫
上記にプラスして、ご褒美としてお菓子をあげるのも良いでしょう。
お菓子を上げる際に、保護者さんにむし歯になりにくいお菓子を紹介するなどして、保護者からの関心も得ることで、子どもの治療はスムーズに進みやすいです。
治療の適切なタイミング
小児歯科では、子どもの口腔内の成長や発達に合わせて、適切なタイミングで治療を行います。
治療の適切なタイミング
乳歯列期:むし歯の予防が重要
混合歯列期:永久歯の萌出や噛み合わせの異常のチェックが重要
永久歯列期:歯並びや噛み合わせの治療が重要
具体的な治療
乳歯列期:フッ素塗布、シーラント、むし歯治療
混合歯列期:永久歯の萌出誘導、歯並びや噛み合わせのチェック、矯正治療
永久歯列期:歯並びや噛み合わせの治療、歯周病の予防・治療
家庭での予防ケア
小児歯科での治療だけでなく、家庭での予防ケアも重要です。
家庭での予防ケアのポイント
■食後のブラッシングを徹底する
できるだけ食後30分以内に歯磨きをすることが大切です。
■仕上げ磨きを行う
子どもが自分で歯磨きをしただけでは、充分にみがけていないことがほとんどです。
まずは、自分で歯磨きをする習慣をつけるために、歯ブラシを持ってもらって、自分で磨いてもらいましょう。そのあと、磨き残しを親が磨くという流れを自然に行えるようにしてましょう。
■糖分を含む食品や飲料の摂取を控える
子どもは、糖分を多量に含むお菓子やジュースが大好きです。それを全て取り上げるのではまなく、親がそれを理解して、適当な量を食べさせてあげることがとても大切です。
■フッ素を活用する
子どものお口を守るためには、フッ素がとても有効です。
フッ素塗布の際に、定期的に歯科医院に来院してもらえるように、説明してみましょう。
子どもの歯の健康を守るためには、歯科での治療だけでなく、家庭での予防ケアが大切だということを、伝えましょう。
まとめ
小児歯科での注意点は、子どもの心理的ケア、治療の適切なタイミング、家庭での予防ケアの3つです。子どもの歯の健康を守るために、これらの注意点を理解し、適切な対応をすることが大切です。